コラム

民事信託の基礎知識
登記の目的及び登記原因など

 

委託者が信託を設定した場合

 

登記の目的:所有権移転及び信託
登記の原因:平成○○年○○月○○日信託
登録免許税:固定資産税評価額の0.4%
(平成29年3月31日までは、土地の信託に関しては、固定資産税評価額の0.3%)

 

 

受益権の売買、贈与等した場合

登記の目的:受益者変更
登記の原因:平成○○年○○月○○日売買
登録免許税:不動産1個につき1000円

 

 

信託が終了した場合

登記の目的:所有権移転及び信託の抹消
登記の原因:平成○○年○○月○○日信託財産引継
登録免許税:固定資産税評価額の2%
(ただし、信託終了時の権利帰属者が委託者の相続人である場合は、相続の税率を適用するので、固定資産税評価額の0.4%)
信託の抹消分は、不動産1個につき1000円

 

 

信託財産を処分した場合

登記の目的:所有権移転及び信託の抹消
登記の原因:平成○○年○○月○○日信託財産の処分
登録免許税:固定資産税評価額の2%

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    信託監督人と受益者代理人ってなに?

    信託と成年後見制度における「受益者」と「後見人」の立場の違い

    成年後見制度においては、家庭裁判所によって監督を受けなければなりません。(任意後見制度の場合は、後見監督人が必須になっています。)そのため裁判所によって、成年後見人として妥当だとされる人物が選定されます。弁護士や司法書士、社会福祉士、税理士といった専門家が選ばれることが多いですが、家族や友人が選任されるケースもあります。

     

    しかし家族信託においては、監督機関はありません。そこが家族信託の魅力でもあり、リスクのひとつでもあります。信託の場合は、信託監督人を置くことが可能になるというレベルです。利益を受け取れる人「受益者」のために、財産を託される「受託者」が運用・承継を行っています。通常は、受益者が受託者を監督しています。しかし、信用のおける信託財産を管理・運用をきちんと行っているのか、受益者が監督できない場合を想定し、信託監督人を設けることが一般的です。信託監督人は、司法書士等の専門家をオススメします。

     

     

    根本的な財産管理方法が異なる2つの方法

    成年後見制度においては、家庭裁判所へ定期的な財産管理の報告が必要になります。そのため財産の処分となれば、裁判所の許可が必要になります。

     

    一方、家族信託では、原則的に受益者が、受託者を監督します。成年後見制度よりも、自由に財産を動かすことができるため、信託監督人や受益者代理人などを置いて監督するケースもあります。

     

    被後見人を受益者としている場合には、親族後見人に月々定額の生活費を給付することで、不透明な財産管理を減らす役割も期待できます。受益者代理人を置くことで、受益者の代わりに意思表示することが可能になります。最近では親族後見人による横領や浪費事件が増えているため、監督機能は特に注目が集まっています。

     

     

    信託監督人や受益者代理人の存在

    家族信託において、受託者に選ぶ人物には、絶大な信頼をおけることが絶対条件です。大切な財産を託すことになるため、受託者選びは非常に重要となってきます。

     

    しかし、受益者が高齢化し、判断能力が衰えてきた場合、委託者の意向を守り、受益者の利益を守るために、信託監督人や受益者代理人という存在は必要になってきます。

     

    家族信託のすべての契約に、信託監督人や受益者代理人が必要なわけではありません。受益者代理人は受益者と同等の力を持つことになります。設定する際は、慎重に検討しましょう。

  • 民事信託の基礎知識
    どんな財産を信託することができるのか?

    所有者が保有している財産は、固有財産と呼ばれます。

     

    では、どのような固有財産が信託することができるのでしょうか。

     

    原則として、“財産的価値があるもの”は、信託することができます。

     

     

    ①不動産所有権、借地権、動産(ペット)、金銭

    *信託契約により、管理・処分権限が受託者へ移ります。

     

     

    ②上場株式、非上場株式、著作権や知的財産権

    *財産権以外の、議決権や利用決定権は受託者へ移ります。

     

     

    ③債権(請求権)、将来債権(未実現の請求権)

    信託することができないもの

    次のものは、信託できません。

     

    ①生命、名誉

     

    ②債務、連帯保証(いわゆるマイナス財産は信託できません)

     

    ③一身専属権(生活保護受給権や年金受給権)

     

    なお、注意点としては、信託契約書に銀行口座を記載される方がいらっしゃいますが、銀行口座は、預金債権です。通常、銀行の預金債権は譲渡禁止特約付債権になります。
    したがって、預金債権は信託できません。

     

    また、債務は信託できない財産ですが、別途、債務引受はできます。実質、債務を信託することと同じ状態にすることができます。